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■ボストンテリア
Boston Terrier

ボストンテリアの紹介
ボストンテリアは、その名前のとおり1800年代にアメリカのボストン市で作られた犬種です。ブルドッグやブルテリア、ホワイトテリアなどを交配させることで生み出されました。
血統の中に潜在する闘犬種(ブルドッグ)の特質を排除する事に苦心をして改良された経緯がありますが、小型になるに従い性格が温和になって行ったと言われています。

体重によって、ヘビー、ミドル、ライトの3タイプに分けられますが、外見上の特徴は同じです。いずれのタイプも筋肉質で、ブルドックに似た顔をしています。小型のものは愛玩犬、大型のものは番犬に向きますが、近年は小型のものに人気が高い傾向があります。

性格は陽気で友好的。遊ぶのが大好きな賢いイヌで、タキシードを着ているような外見から「小さなアメリカ紳士」と呼ばれています。ボストンテリアは数少ないアメリカ原産の代表的犬種で、犬種名はボストン市を中心に作出された事に由来しています。犬名にテリアと付いていますが、分類はノン・スポーティングです。

ボストンテリアはタキシードを着た紳士のような黒地に白の斑(ボストンカラー)と断耳された直立耳がアメリカ人の好みに合い、過去と現在を通じずっとアメリカ国内で高い人気を維持しています。タキシードスタイルのアメリカ紳士のイメージが重要視されるためか、
被毛色に占めるホワイトの割合が問題になる犬種で、ホワイトの部分の多いものや左右対称でないものは好まれないようです。


ボストンテリアの歴史
ボストンテリアの歴史ボストンテリアは、チェサピーク・ベイ・レトリーバー、アメリカン・フォックスハウンドに次ぐ、アメリカ原産種としては3番目に古い歴史を持つ犬種です。
1870年、ボストン市在住のロバート・C・フーパー氏は、イギリスから「ジャッジ」と呼ばれるイングリッシュ・ボストンテリアとイングリッシュ・ホワイトテリアの雄犬を購入しました。フーパー氏は、この雄犬を「ジップ」という小型の雌犬と交配させ、その交配により「ウエルズ・エフ」が誕生しました。この犬はとても人気が高く、多くの雌犬に交配され、ボストン・テリアの基礎犬が作出されていきます。

その後、1889年頃までに、この犬種はボストン市でたちまち人気を集め、愛好家たちが「アメリカン・ブル・テリア・クラブ」という組合を結成するまでになりました。しかし「ブル・テリア」という名前を使ったことで、本当のブル・テリアの愛好家たちから不評をかってしまいます。この犬種のニックネーム「ラウンドヘッド」という名前をつけようという動きもありましたが、結局、発祥地にちなんで「ボストン・テリア」と命名されることになりました。

無名の犬種からAKCに承認されるまでのボストン・テリアの出世の速さは、相当なものでした。なにしろ、この犬種は誕生して20年も経たない1893年に、AKCに承認されるまでになったのです。

その後も繁殖家はボストン・テリアの種の安定性を追求しました。初めは色や模様などはあまり重視されていませんでしたが、20世紀前半には、その独特な模様と毛色が優れたボストン・テリアとしての重要なポイントとなりました。ボストン・テリアは急速にアメリカ中で高い評価を得るようになり、20世紀中半にはもっとも人気のある犬種の仲間入りをし、現在でもその人気は不動のものとなっています。


ボストンテリアの特徴
よく引き締まった筋肉質な体つきで、滑らかで光沢ある被毛は短く、毛色はブリンドルか黒で白斑をもつ、ボストン・カラーとよばれる独特のものです。間隔のあいている飛び出しがちな大きな目、ぴんと立った耳、歯をおおうたるみのない口唇など、愛嬌のある顔立ちが特徴です。尾は短く先細で、ストレートか巻いています。小型ながら、力強く機敏な動きがもち味の犬種です。その容姿からは強い決断力、頑丈さ、活発さといったものが見て取れ、優美な身のこなしも持ち合わせています。ブルドッグの祖先たちの性質をいくつも持ち合わせていますが、ブルドッグよりも小型ですっきりしているので家庭のペットとしても最適です。


ボストンテリアの性格
ボストンテリアは人なつこく賢いので、しつけも比較的しやすい部類の犬種であるとされています。飼主の意思や気分に敏感で、非常に繊細な面も持っており、室内では行儀のよい犬ですがやんちゃで遊び好きなところもあります(特にボールを追いかける遊びを好みます)。少し頑固なところもありますが、知的で、学習能力も優れています。知らない人にはあまりなつくことはなく、ときには他の犬に対して攻撃的な態度をとったりすることもあります。また、たまに吠え癖を持った犬もいます。しかし、子供などにはやさしい面を持っていますので子供のいる家庭でも安心して飼うことができるはずです。

ボストンテリアは小型犬ながら堂々としており、番犬として勇敢にテリトリーを守る性質があります。ボストンテリアはブルドッグやボクサーの血を引いていながら落ち着きがあり、争いをけしかける事をしない為、飼い易い犬種と言えます。しかしながら負けず嫌いで売られたけんかにはひるむことなく向かっていきます。


■ボストンテリアの毛色
ボストンテリアの被毛は、とてもなめらかで光沢があります。毛色はブリンドル&ホワイトが基本となりますが、ブラックに白い斑があるものも認められています。ボストンテリアの主な毛色は以下の通りです。

・ブラックブリンドル&ホワイト
・ブリンドル&ホワイト
・シールブリンドル&ホワイト
・マホガニーブリンドル&ホワイト
・ゴールドブリンドル&ホワイト
・ブラック&ホワイト


ボストンテリアの飼育
被毛は滑らかでつやがあり、短いのでグルーミングは簡単です。ただ、ボストンテリアの特徴である毛ツヤを保てるように、季節に応じて運動後に湿らせたタオルで汚れをとり、清潔に保つことが必要です。換毛期のブラッシングや耳掃除も忘れずにするようにしましょう。

ボストンテリアは活発で遊ぶことが大好きです。そのため、毎日きちんと運動をさせ、家族との触れあいを持たせることが必要です。ただ、長時間の散歩は必要なく、庭で走り回らせてあげれば十分でしょう。

室外での飼育にはあまり向かない犬種です。たまに、ゼーゼーと苦しそうに息をしたり、いびきをかいたりする犬もいます。暑さに弱いタイプの犬種なので、夏場などは十分気をつけるようにしましょう。


■健康上の注意点
食事には特に配慮はいらないですが、バランスのとれたフードを適量与えるようにしてください。突き出た目は傷つきやすいので、注意が必要です。また、鼻面が短いため、激しい運動をしたり、暑かったり寒かったりすると呼吸障害を起こすことがあります。心臓や皮膚に腫瘍がみられることもあるので注意するようにしてください。


■気をつけたい病気
・若年性白内障 ・ パターン脱毛 ・色素過剰症 ・アカラス症 ・水頭症 ・乳腺腫瘍 ・肥満細胞種・てんかん・チェリーアイなど

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