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■ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
Welsh Corgi Pembroke


■ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの紹介
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、12世紀頃にイギリスのウェールズ州ペンブロークシャーで誕生したと言われています。代々、英国王室で飼われ、古くは12世紀のリチャード1世からエリザベス女王まで、長い間王室に愛されてきた犬種です。

ダックスフンドに体型が似ていますが、ダックスフンドの仲間ではなく、スピッツの先祖に関係があるという説や、北極地方のイヌから派生しているという説があります。かつては牛の番犬として活躍していたウェルシュ・コーギー・ペンブロークは、忠実で愛情深いのが特徴。家庭の番犬にも最適な犬種です。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史は1107年までさかのぼることができます。直系の祖先犬はフランスとベルギーの大西洋に面した地方の織工が、ウェールズに移住してきたときに連れてきた犬とも、バイキングが活躍していたころにスウェーデンの犬がこの地に居残ったものともいわれています。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは南ウェールズの農家に必要不可欠な牧畜犬でした。この犬種は牛を誘導する際、牛の蹴りをよけながら脚に咬み付いたりして、要領よく牛を管理することを得意とし、時には羊やウェルシュ・ポニーの群れの管理も任されていました。

古くはヘンリー2世や、現代でもイギリス王室に愛され続け、王室の犬といえば、この種と思われているほどでもあります。1960年代には世界中でもっとも人気のあるペットとなり、特にイギリスでは熱狂的な人気犬種として扱われました。現在では安定した人気ぶりで、人々から伴侶犬として愛されています。


■ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの歴史
ウェルシュ・コーギーはウェールズ地方の地犬でカーディガンとペンブロークの2種があります。「カーディガン」は3000年以上の歴史をもつ古い犬種で、紀元前1200年頃に中央ヨーロッパから犬を連れて移住したケルト民族がウェールズのカーディガンシャー地方に住みついた事が犬種名カーディガンの由来であるとされており、ケルト民族と共にイギリスに渡ったのはダックスフンドに近い系統の犬であったと考えられています。

この犬種はかなり古い時代からいたといわれていますが、その起源を立証することはとても難しく、11世紀に書かれた本の中に、ウェールズの牧畜犬が描写されているのが唯一の証拠のようなものとなっています。カーディガンはケルト民族との長い共同生活を経て、ほとんど人間に近い能力をもつようになりました。

「ペンブローク」はフラマン人の織物職人が犬を連れてウェールズのペンブロークシャー地方に移民した事が由来とされています。この時にイギリスに渡ったのはベルギーのスキッパーキ系統の犬であったと伝わっていて、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの「コーギー」とは、イギリスに残るケルト語で「小さな犬」を意味します。また、ウェールズ地方のペンブロークシャーで飼育されていたことから、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークと名付けられました。

カーディガンとペンブロークは外貌上は非常に似た犬ですが、始祖犬は明らかに別犬種であり、育種の歴史も異なっています。

用途は両犬とも牧畜犬ですが、カーディガンが元来、牧畜犬の系統であり、家畜を統率する能力に長けていました。カーディガンは家畜を牧草地へ誘導し、外敵や危険から守り続け、主人の合図によって連れ戻すという重要な仕事を任されていたのです。牛など大型の家畜の移送に際しては踵(かかと)に噛み付き、方向転換をさせました。この得意技は時に牛を守るのではなく、牛を追い散らす目的でも使われたようです。

当時の牧草地には境界が無く、牧畜家は自家に近い牧草を他家の牛に喰われる事を嫌っていました。コーギーの踵への攻撃に対し、他家の牛は本気で反撃したが、体高の低いコーギーは器用に身をかわす事ができたのです。コーギーは主人の合図によって自家の牛を守り、他家の牛を追い払うという人間でも混乱しそうな作業を上手にこなしていました。やがて土地が分割され、牧草地が柵で囲まれるようになると多くのコーギーは職を追われる事になってしまいました。原産地ウェールズでもカーディガンが絶滅寸前になった事があるほどです。

コーギーは1927年にクラス分けされ、1934年にカーディガンとペンブロークが別犬種に分類されました。現在はカーディガンとペンブロークそれぞれの特質を強調する方向で作出が続けられています。


■ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの特徴
このペンブロークとよく似た犬にカーディガンがいます。長い尾をもつカーディガンに対し、ペンブロークでは尾がないのが特徴です。また、カーディガンの耳先はややとがっているのに対して、ペンブロークの耳先はわずかに丸みをおびています。耳と耳の間が平らなのもペンブロークの特徴です。中くらいの長さのかたい被毛が密生しており、毛色はレッド、セーブル、フォーン、ブラック・タンなど。四肢や胸、頸には白斑があります。小柄ながら胴体は長くたくましく、短い肢も骨格はしっかりしています。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは長胴短足で、ウェルシュ・コーギー・カーディガンと比べるとやや軽やかな体つきをしています。自由でなめらかな足取りで、しっかりと地面を踏みしめて歩きます。牧畜犬としては、牛の蹴りをかわすためにすばやく動くことが、優れたペンブロークの条件となっています。

被毛は適度な長さの下毛と、硬くてやや長めの上毛の二層構造で、外界の天候から体を守るのに役立っています。知的で好奇心に満ち溢れた、どこかキツネを思わせるような表情が特徴的です。


■ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの性格
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは行動や頭の使い方などが大型犬のようで、頼もしい一面を持っています。ただし、生まれながらの見張り番で、縄張り意識は強く、敷地内に入る他人には吠えることもあるでしょう。警戒はするものの攻撃的なところはなく、子どもにも寛容で、よき家族となってくれるはずです。忠実で飼い主を喜ばせることを好み、楽しいことや人と接することが大好きな社交的な性質を持っています。カーディガンに比べると、このペンブロークはやや興奮しやすい種類と言われています。

家畜のくるぶしを咬んで追い込むヒーラー(ヒールとは、くるぶしの意)の名にふさわしく、咬みつく性質は今日でも残っているようです。子犬期の愛くるしさからは想像出来ない程俊敏で用心深く賢い犬種です。とても機敏なのでフリスビーなどのスポーツや番犬にはとても向いています。


■ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの毛色
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの被毛は、短く密生している下毛と長い上毛の二重毛になっています。
・ レッド ・ セーブル
・ フォーン
・ ブラック&タン
毛色にホワイトが入っているものも認められています。


■ウェルシュ・コーギー・ペンブロークの飼育
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは元は牧牛犬だったのでスタミナ抜群です。足の長さからは考えられない程のスピードも出ます、毎日十分に運動させましょう。長めの散歩を行ったり、広々とした屋外で十分に遊ばせてあげてください。また、この体型は背骨に負担をかけるので肥満にならないように注意が必要です。

ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは自然な状態の被毛が好まれるので、手入れは簡単な方だといえるでしょう。まっすぐで硬い毛は、絡んで毛玉を作る心配もありません。ブラッシングは、ピンブラシで全身を軽くとかして抜け毛を取り除き、あとはコームで整える程度で十分です。ただしダブルコートなので、換毛期には相当な量の毛が抜けます。その時期のブラッシングは念入りに行うようにしてください。カットは足まわりの毛だけで、伸びてきたらカットしてください。

温暖な気候の地域でなら屋外での飼育も可能ですが、室内で家族と生活し、時々屋外に出られるようにしてあげるのが理想的です。


■健康上の注意点
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークはもともと活発な犬種なので、しっかりと運動する時間をとってあげる必要があります。小ぶりな体形ながら、非常に体力やスタミナがあり、食事で摂ったエネルギーを健康的に消費させるためにも、運動は毎日たっぷりとしてあげてください。リードをつけた引き運動や、軽快なスピードで30分程度走らせてあげるのが良いでしょう。夏は地面の熱が冷めた夕方から夜間に連れ出すようにし、日中の運動は避けるようにしてください。

基本的に食欲は旺盛なので、食べ過ぎには注意する必要です。特にこの種のような胴の長い犬の場合、肥満は重大な問題になってきます。栄養バランスに優れた、品質のよいドライフードを中心に与え、肥満を防ぐため間食を与えないこと。また、椎間板ヘルニアにも注意してください。


■気をつけたい病気
・椎間板疾患  ・股関節形成不全  ・てんかん

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