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■ダックスフンド
Dachshund

■ダックスフンドの紹介
ダックスフンドは体長が体高の2倍もあり、全犬種の中で最も短足、胴長の犬として知られています。ダックスフンドの「フンド」は「ハウンド」と同義語で、現在では愛敬のある家庭犬の代表として定着しているダックスフンドも元来、立派な獣猟犬グループに属す犬なのです。

ダックスフンドはドイツを原産とし、12世紀頃から狩猟犬として活躍してきました。ダックスフンドは、もともとは、アナグマやウサギなどを巣穴から駆り出し、獲物の存在をハンターに知らせる役目を担っていた猟犬です。ダックスフンドについては16世紀に資料が発見されており、そこには「背が低く曲がった足の犬」と書かれていました。また、当時は「穴を掘る小型犬」「ダッケル」「アナグマ犬」などと呼ばれていたようです。

現在の「ダックスフンド」という名前はドイツ語の"dachs"(アナグマ)と"hund"(犬)からきています。

粘り強いハンターと言われているダックスフンドは、地中の巣穴の中にまで獲物を追って入っていき、獲物を外に連れ出して息の根を止めるという方法で狩りをしていました。


ダックスフンドの歴史
ダックスフンドは体格の割に吠え声が大きく、短足の前足は主に土を掘り、穴を広げたりするのに役立っていました。ダックスフンドのサイズに関しては、スタンダードとミニチュアに分類する国が多いようです。しかしヨーロッパではスタンダード、ミニチュアの下にさらにカニチュア(ラピッドとも呼ぶ)というサイズを設けて3区分しています。     

各タイプのダックスフンドは、それぞれの地域の地形や天候などを考慮に入れて、その土地の猟に適合した特徴を持たせて繁殖されました。どのダックスフンドもタフで頑強な上、アナグマやキツネや小型の哺乳動物をすばやくしとめる能力に長けていました。

ダックスフンドの特徴でもある、胴長な体型は昔から変わりませんが、被毛はスムースコートかロングヘアーが一般でした。最近ではこれにワイアーヘアーを加えた3種類の被毛が知られていますが、ワイアーヘアーはそのような被毛を持つテリアと交配し誕生した、新しいタイプのダックスフンドなのです。
       
ロングヘアー(長毛種)は、短毛ダックスフンドに小型のスパニエル系や、アイリッシュセッターを交配して作出されたもので、シルクの感触を持つ長毛に特徴があります。ロングヘアーダックスフンドは性格的にもスパニエル犬種を思わせるものが多いと言われています。

毛質のタイプが固定された現代では、被毛タイプの異なる犬との交配は害が多いとうのが定説です。いずれのタイプにも属さない被毛の子犬が生まれる事が多いばかりか、これらのタイプは数世代に渡り毛質が定まらないと言われています。


ダックスフンドの特徴
ダックスフンドは獲物を追って地中の穴の中に潜り込み、その中を思った通りに移動できるように胴長短足の体型に作られました。この体型に加えて、獲物を捕える顎の強さや、獲物をしとめるための優れた体力も兼ね備えています。昔からダックスフンドの大胆な性格と優れた狩猟本能、鋭い嗅覚と大きな吠え声が、地中のハンティングにとって大変役に立っていました。

またダックスフンドは、しなやかでメリハリのある機敏な動きと並外れた耐久力を持ち合わせており、その足取りは流れるように滑らかです。また、エネルギーの塊のような犬種なので、嬉しいことがあると体全体を使って表現します。

ダックスフンドは短足であるため、散歩の距離は短くてよく、被毛の手入れも簡単です。また性格は愛情深く、遊び好きで、適度な警戒心を持ち番犬としても有用です。

この犬種は、被毛によって3つのタイプに分けられています。つやのある短毛のスムースタイプは、この被毛で雨風から体を守ります。ロングタイプは滑らかな長毛で、少しウェーブがかかっていることもあり、スムースタイプよりもさらに体を保護する役目を果たしています。ワイヤータイプは、ピンと張った太く硬い毛で覆われ、密集した下毛が体を十分に保護する役割を担っています。

体の大きさはスタンダードやミニチュアのほか、今日では体重 2.3kg以下、胸囲30cm以下とさらに小型のカニンヘンと呼ばれる種類も登場し、ダックスフンドとして扱われる種類は3種になっています。


ダックスフンドの性格
ダックスフンドの性格は狩猟犬らしく機敏で活発、そして好奇心旺盛です。また、友好的で落ち着きもあるので、家の中でも安心して飼うことができます。

さらに、ダックスフンドは辛抱強く、賢さも兼ね備えており、知らない人がくると吠えて教えてくれます。とにかく遊ぶことが大好きで、コンパニオンドッグとしてもとても優秀な犬です。

ダックスフンドは恐いもの知らずで、好奇心旺盛な犬種です。基本的に独立心の強い犬ですが、家族で何かしようということになれば、一緒に参加したがる一面も持っています。小さな子供がいる家族ともうまく暮らしていけますが、初めて出会った子供に突然攻撃的になることがあります。

見知らぬ人に対しては神経質になることが多く、なかには吠えてしまう犬もいます。ロングタイプは、比較的静かでテリアっぽさが少なく、ワイヤータイプは、他のタイプより社交的です。また、ミニチュアタイプのなかには臆病な性質を持った犬も見受けられます。


ダックスフンドの被毛
短毛のスムース、長毛のロング、剛毛のワイアーヘアーの3タイプ。


■カラー
ブラック、チョコレート、レッド、ブラック&タン(茶褐色)、クリームなど。

ダックスフンドは他の犬種と異なり、特徴のある3つの被毛をもちます。もっとも古いと考えられているスムースヘアード・ダックスフンド、さらに現在大人気のロングヘアード・ダックスフンド、比較的新しいワイアーヘアード・ダックスフンドです。ワイアーヘアードダックスフンドの被毛の色は、スムースヘアード・ダックスフンドとロングヘアード・ダックスフンドと少し異なる色が存在します。

[スムースヘアード・ダックスフンド、ロングヘアード・ダックスフンド]
・レッド ・クリーム ・シェーデッド・クリーム ・イエロー ・チョコレート&タン 
・ブラック&タン ・チョコレート ・ブラック ・ダップル ・ブリンドル

[ワイアーヘアード・ダックスフンド]
ほとんどがワイルドボア(イノシシ色)かデッド・リーフ(枯葉色)ですが、ブラック&タン、レッドなど、スムースヘアード・ダックスフンド&ロングヘアード・ダックスフンドと同じ色も認められています。


ダックスフンドの飼育
どの被毛のタイプでも、まめにブラッシングをしてあげたり、必要に応じてシャンプーしてあげなくてはいけません。シャンプー後は必ず完全に乾かし、温かく保つようにしてください。スムースタイプに関してはビロードの布やセーム革などで被毛をこすってやるとツヤが出ます。余剰に伸びた毛のカットを基本に考えれば、トリミングはそれほど難しいものではないでしょう。

また、ダックスフンドは長い胴体のため、あまり太りすぎてしまうと、椎間板ヘルニアになる可能性が高くなります。栄養のバランスに気をつけ、しっかりと体調管理しましょう。

ダックスフンドは活発な犬種なので、散歩をしたり、広場で遊んだりしてたっぷり運動させてあげましょう。また、順応力に優れているので、都市の生活や共同住宅での生活にもすぐに慣れることができます。とはいえ、やはりハンター魂は健在で、大自然の中で獲物を探したりすることをとても好みます。

温暖な気候の地域であれば、屋外で暮らすこともできますが、寝る場所は室内に用意してあげるのが理想的です。

スムースタイプには最低限のグルーミングをしてあげましょう。ロングタイプには、週に1?2回のブラッシングまたはコーミングをしてあげ、必要に応じてトリミングをしましょう。

ワイヤータイプは、週に1回程度ブラッシングかコーミングをし、必要に応じてトリミングするとよいでしょう。年に2回はストリッピング(手で毛を抜くこと)が必要です。


■健康上の注意点
ダックスフンドは活動的で驚くほどスタミナをもっています。日光浴をさせる意味でも、1日1、2回は屋外へ出し運動させてやるといいでしょう。筋肉をつける自由運動と骨を守る背筋をつけ、椎間板ヘルニアの予防にもなる引き運動を合わせて行うと良いです。成犬期の食事で気をつけなければならないのが、肥満です。肥満により湿疹が出やすくなり、心臓に負担もかかりやすく、疲れやすくなってしまいます。椎間板ヘルニアを引き起こす原因にもなるので注意してください。また、糖尿病や心臓病という老犬共通の症状を現すこともあります。


■気をつけたい病気
・椎間板ヘルニア ・てんかん ・乾性角結膜炎股 ・中耳炎 ・外耳炎など


■寿命     12ー14歳

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