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■パピヨン
Papillon

パピヨンの紹介
パピヨンは古くからヨーロッパ地方に生息していた小型のスパニエルとして知られていました。その正確な起源はいまだに明らかになっていませんが、最古の記録では、1545年にポーランドの王位に付いた貴婦人に売られたのがパピヨンだったとされています。

16世紀には、スペインとフランスの貴婦人たちの間で、パピヨンと一緒に肖像画を描かせることが流行し、あのマリー・アントワネットもこのイヌを溺愛していました。

その頃から、飾り毛のある大きな耳が蝶の羽のように見えることから徐々に「パピヨン(蝶)」という名にふさわしい変化が現われ始めたとされています。と言うのも、初期のパピヨンは耳が垂れていたのですが、ある日突然立ち耳のパピヨンが生まれるようになったのです。また、同じお母さん犬から生まれた中でも、垂れ耳と立ち耳のパピヨンが生まれることがあり、現在においても両タイプが認められています。ちなみに、立ち耳のパピヨン(蝶)に対し、垂れ耳はファレン(蛾)と呼ばれます。

19世紀に入ると、フランスとベルギーのブリーダー達によって、さらに小型化が進められ、
本格的にパピヨンとしての犬種が固定されるようになりました。1923年には、初めてイギリスに紹介されています。


パピヨンの歴史
16世紀頃にフランスに渡ったとされるパピヨンですが、20世紀になるとドッグショーにも参加するようになます。その当時のパピヨンは、現在のものより若干大きいものでしたが、改良を重ねてより小さくなりました。パピヨンは現在でも世界中で高い人気を誇り、日本においても常に人気の上位をキープしています。

パピヨンという名は、フランス語で「蝶」を意味し、この活発な犬の耳が「蝶の形」に似ていることからこの名前が付けられました。

16世紀頃にヨーロッパで人気のあったドワーフ・スパニエルがパピヨンの起源となっています。ドワーフ・スパニエルは貴族たちの間で寵愛され、特にスペインとイタリアがこの犬種の輸出入と繁殖の本拠地となっていました。フランスのルイ14世も宮中でパピヨンをこよなく愛し、何頭も輸入したといわれています。羽飾りのある尾がリスの尾のようにクルっとカーブを描いていることから"スクウィール(リス)・スパニエル"とも呼ばれていました。

20世紀になると、フランスではドッグショーに頻繁に参加するようになり、その後すぐイギリスでもアメリカでもドッグショーに出されるようになりました。この時に出品されていた犬たちは現在のパピヨンよりも若干大きく、そのほとんどが白地に茶の斑点が入った毛色をしていました。その後の品種改良により、より小さく、白の斑点部分がより目立つ犬が誕生しました。左右対称の模様と白い部分が、まるで蝶のように見えるのが特徴です。パピヨンはトイ・ドッグの中でもっとも人気のある種であり、愛らしいペットとして、可憐なショードッグとして、また服従競技の名選手として幅広く活躍しています。


パピヨンの特徴
パピヨンの名前は、優雅に直立した大きな耳の形にちなんでいます。被毛は下毛のないシングル・コートで、耳や胸、四肢、尾などに飾り毛があり、毛色は白地にはっきりした色斑が入るパーティー・カラーです。耳や目のまわりに模様があり、ブレーズが白く抜けるのがよいとされているようです。目は大きめで色は暗色。鼻は黒く、耳はルイ14世の時代には垂れ耳だったとされるが、だんだんと立ち耳と変化していきました。

パピヨンは見た通り体が小さく、骨が細く作られており、どこか繊細で優美な雰囲気を持ち合わせています。体高より体長がやや長めで、敏捷で軽やかな足取りで優雅に歩きます。豊富な被毛はまっすぐで長く、絹糸のように美しく流れています。

人なつこいながらも警戒心を備えた表情と、蝶のような耳がパピヨンの最大の特徴といえるでしょう。


パピヨンの性格
性格は賢く順応性があり、活発。貴婦人たちが好んだというだけあり、容姿は優雅で美しく、友好的です。小型犬ながら大胆で勇敢な面をみせ、自己主張も強い方ですが、反面繊細で甘え上手であもあります。小型なので見かけは華奢ですが、本来は丈夫で、どのような気候や環境にもすぐに適応することができます。飼い主たちの態度には敏感に反応し、動作も機敏です。

パピヨンは蝶のように美しい容姿から弱々しく思われがちですが、芯は強く大胆で明るく前向きです。一般的には吠えるイメージがあるようですが、訓練性は高く利口。スパニエルの血筋を引いている事から、とても友好的ですが、賢いが故に甘やかすと攻撃的になります。

小さな子供がいる家庭でも安心して飼うことができ、子供の遊び相手としても最適といえます。また、愛情深い犬なので一人暮らしの方のパートナーとしても最適でしょう。見知らぬ人や他の犬、他のペットとも仲よくすることが出来るでしょう。ただ、なかには少し神経質な性質の犬もいます。


パピヨンの毛色
パピヨンの毛色はもともと単色でしたが、近年は白色が優勢になっており、単色は認められていません。白地のものであれば全ての色が認められますが、白色が大半を占めるものは欠点とされます。パーティカラー(2色の被毛)か、ホワイトに何らかの色の模様が入る。長毛のシングルコート(下毛のない被毛)。


パピヨンの飼育
被毛は絹糸状で長いので毎日クシでとかし、ブラッシングする必要がありますが、下毛がないので手入れは比較的簡単でしょう。入浴やドライシャンプーは必要なときに行い、目安としては月に2?3回としてください。ベビーシャンプーを使い、ドライヤーで手際よくコートを乾かし、整えるようにします。トリミングは必要ありません。ただし、耳の飾り毛のお手入れには気をつけましょう。体臭少はなく猫のようにきれい好きでお手入れは比較的簡単です。膝頭をはずしやすい事や足が細く華奢なので、骨折に要注意。

パピヨンは自己中心的な面があるので、しっかりしつけをしましょう。パピヨンを飼育する環境は特に心配することなく、比較的飼いやすい犬種といえます。活発で陽気な性格なので、毎日適度に運動させてあげる必要があります。屋外での飼育はあまりおすすめしません。

活発で陽気なパピヨンには、精神的に刺激を与えてあげることが必要です。毎日適度に散歩をさせ、室内外で比較的難しいゲームを取り入れると喜んで参加するでしょう。


■健康上の注意点
小柄で華奢にみえるが、とても遊び好きでほかのペットとよくじゃれ合うので、運動不足の心配はないでしょう。室内で遊ばせる程度で運動量は確保できるが、ときには屋外での運動もさせてあげてください。素直でしつけやすいですが、神経質に叱ったり、家庭に争いごとが多いと、犬自体がストレスをためたり、性格が歪んだりする。その結果シャイな犬になったり、むやみにキャンキャン鳴くようになってしまいます。ルールに関してきちんと訓練し、過保護にしないことも大切でしょう。

食事の内容としては、栄養バランスのとれた小型犬用のドッグフードで問題ありません。ドライフードと缶詰フードの混合食が、一般的で手軽です。回数は若犬から成犬の場合、1日1回でもいいですが、冬場は体温保持のためにも1日2回にするのが良いでしょう。


■気をつけたい病気
・膝蓋骨脱臼など
※これらはすべてのパピヨンに起こる訳ではなく、
またパピヨン特有の疾患でもありません。

■寿命     12ー15歳

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