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■ミニチュア・ピンシャー
Miniature Pinscher


■ミニチュア・ピンシャーの紹介
ミニチュア・ピンシャーは、筋肉質の体と小ぶりの顔が特徴的な犬種です。「ピンシャー」とは、ドイツ語で「テリア」の意味で、テリアと同様、勇敢で活発な性格なイヌです。
スカンジナビアにいたクライン・ピンシャーというイヌを小型化した犬種で、当時は、害獣の駆除などの仕事で活躍していたようです。小柄ながら、とっても活動的なイヌなので、十分に遊んであげることができる人に向いています。

ミニチュア・ピンシャーはドイツの使役犬由来の本質を持ったまま小型化されており、愛玩犬に分類されてはいますが大胆で気性が荒く、体質も強壮で番犬として充分過ぎる素質をもっています。愛玩犬種で初めて訓練資格をとった事でも知られています。攻撃的で自尊心が強く、恐れを知らず、自分より大きな相手に果敢に立ち向かい、前ぶれなく噛み付く事があります。現代の家庭環境下では唯一の害獣となったネズミの駆除本能は抜きん出ています。

小型でありながら、中型犬以上を思わせる均整のとれたスクェアタイプ。きらきら輝く瞳と俊敏な動作は小鹿を連想させ、前肢を高く上げるハクニー歩様が特徴です。ミニチュア・ピンシャーは生まれつき清潔好きであり、飼育環境を汚す事がありません。また、テリトリー防衛本能が強くマーキング癖がありますが、家庭、家族にはきわめて忠実です。


■ミニチュア・ピンシャーの歴史
スカンジナビア半島の小型のピンシャーを元に、ドイツにおいて小型化が進められたといわれています。よく似た犬種であるドーベルマンよりその歴史は古く、数百年の歴史があるとされています。ミニチュア・ピンシャーの起源についてはあまりはっきりしたことはわかっていませんが、この犬種に似た、猫ぐらいの大きさの赤みがかった毛色の犬が、17世紀の絵画に描かれています。さらに、19世紀にははっきりとミニチュア・ピンシャーとわかる犬が絵画に描かれています。ドイツ国内ではレイ(小鹿)・ピンシャー(テリア)と呼ばれており、ネズミや害獣の駆除や番犬として、人とともに暮らしてきました。 1900年のショー出陳を境に、アメリカなどで人気や知名度が一躍あがり、今や世界で愛される家庭犬になっている。

ミニチュア・ピンシャーは短毛のテリア(ジャーマン・ピンシャー)とダックスフンド、
そしてイタリアン・グレーハウンドを掛け合わせて作られたといわれています。これらの犬種が持っているそれぞれの特質が、現在のミニチュア・ピンシャーにも脈々と引き継がれています。

例えば、丈夫な体や短気な性質、そしてブラック・アンド・タンの配色はジャーマン・ピンシャーから、恐い者知らずの性格とレッドの配色はダックスフンドから、優美な身のこなしと遊び好きな性格、しなやかで柔軟な動きはイタリアン・グレーハウンドから引き継がれたものでした。

しかし、ミニチュア・ピンシャーはこれらの犬種たちの特徴を寄せ集めただけではなく、どの犬種よりも元気のよい、活発な犬種という独自の特徴も持っていました。

第一次世界大戦前のドイツでは、ミニチュア・ピンシャーは人気を欲しいままにし、ドッグショーでは常に負け知らずの犬種としてもてはやされていましたが、戦後になると急激に数が減ってしまいます。その結果、この犬種の未来は戦前に各国に輸出された犬たちにゆだねられることになりました。輸出国のひとつであるアメリカでは、人気はそこそこ上昇し、1929年にはAKCからの認定を受けるまでになります。その後は徐々に愛好家を増やし、「トイ・グループの王者」という異名まで与えられ、現在ではアメリカでもっとも人気のあるトイ・グループの犬種のひとつとなっています。

ミニチュア・ピンシャーは19世紀に入り急速に小型化が進み、愛玩犬として飼育できるサイズとなり、体形も洗練され都会的なスタイルとなりました。改良固定の過程でミニチュア・シュナウザーやトイ・マンチェスター・テリアの血が混入されています。1895年ドイツのケネルクラブにより公認され、1925年に現在の犬種名がつけられました。

ミニチュア・ピンシャーは未知の人に強い警戒本能を示すため、一時期アメリカでは車の盗難防止や麻薬密売者の護衛犬として、車に載せられている事がありました。


■ミニチュア・ピンシャーの特徴
体は小型ですが、均整がとれたバランスのよい体形をしています。よく引き締まった短めの胴と、比較的長めの四肢を持っています。その顔立ちも含め、ちょうどドーベルマンを小型にしたような姿が特徴的です。光沢のある短い被毛の色は、ブラック・タン、チョコレート・タン、レッドの3種類で、尾は通常短く断尾されます。その被毛は短く、少々硬めですが手触りはなめらかです。また、耳も3ヵ月程で断耳し、立耳に整えられます。前肢の関節を高く上げて歩行する様子が印象的な犬です。活発な性質と冷静沈着で警戒心の強い性質を併せ持っており、トイ・グループのなかではもっとも運動神経のよい犬種といわれています。


■ミニチュア・ピンシャーの性格
性格は勇ましく、遊び好き。動作、表情そのままの賢さと、誇り高さに溢れた犬種です。
しつけやすい方ですが、無駄吠えしたり、わがままになるような甘やかしは厳禁です。
仲間意識が非常に強く、他人に対しては無愛想。侵入者には吠えかかり噛みつこうとするため、番犬として適しています。しかし、飼い主に対しては、とても深い絆を結んでくれるでしょう。

ミニチュア・ピンシャーは見た目はドーベルマンに良く似ていますが全く異なり、元々ネズミ捕りに使われていました。ピンシャー(咬む)の名の通り非常に攻撃的で神経質。先手必勝で咬んでおいてから相手の様子を伺います。無駄吠えし易く、また臆病になり易いので子犬期に社会化を充分にさせ、しっかりと訓練する必要があります。叱ってしつけると攻撃性が増すので注意が必要です。

もっともエネルギッシュな犬種のひとつであるミニチュア・ピンシャーは、まるで休むことを知らない機械のような犬種といえます。常になにかおもしろいことを見つけようとせわしなく動き回り、大胆で恐い者知らずなところがあります。また、テリア種にみられるような、頑固で独立心の強い性質も持ち合わせています。他の犬には攻撃的になることがあり、小動物などを見つけると追いかけ回す傾向があります。見知らぬ人には距離を置き、なかなか警戒心を解こうとはしないでしょう。また、とてもプライドが高く、キレイ好きです。


■ミニチュア・ピンシャーの毛色
ミニチュア・ピンシャーの毛色は、レッドやブルー、チョコレート、鹿赤が一般的です。
中でも、黒地に赤さびの斑点があるものが好まれています。


■ミニチュア・ピンシャーの飼育
被毛が短いので、手入れは簡単です。運動後に固く絞ったぬれタオルなどで、肢や身体の汚れを落としてあげてください。ブラッシングは、皮膚を傷めない用具で行うようにして注意が必要です。必要に応じてシャンプーするようにしますが、その頻度はさほど多くなくて大丈夫です。いわゆる短毛種の、一般的な手入れを行えば大丈夫です。

寒さに弱いので、冬は服を着せたりペットヒーターを入れるなど防寒対策が必要です。
また、足が細く華奢なので、高所からの飛び降りを避けるなど骨折に要注意。小型ですから定期的に肛門嚢を絞ってあげましょう。

ミニチュア・ピンシャーは室内犬なので、屋外で飼うことはおすすめできません。小型犬でありますが、とても活発なので毎日の運動は欠かせません。長い散歩は必要ありませんが、
室内を走り回らせたり、短めの散歩を行ってあげましょう。


■ミニチュア・ピンシャー健康上の注意点
遊び好きなので、走ったり遊んだりする時間は定期的に作ってあげるといいでしょう。
毎日30分程度の引き運動と、室内の自由遊びによる全身運動を、組み合わせて行ってください。食事に関しても、それほど配慮は必要ありません。また好奇心が旺盛で、チャンスさえあれば逃げ出そうとする面があります。概して丈夫ですが、目や関節に問題をかかえることがあります。


■寿命
12ー14歳

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